ミネラル

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ミネラル

 生体を構成する主要な4元素(酸素、炭素、水素、窒素)以外のものの総称。

 ミネラルは体内で合成できないため食物として摂る必要があります。不足した場合は欠乏症やさまざまな不調が発生しますが、摂りすぎた場合にも過剰症や中毒を起こすものがあります。

人体に必要とされる「必須ミネラル」は16種類あり、体内に比較的多いものは「主要ミネラル」と呼ばれ7種類、それ以外のミネラルを「微量ミネラル」と呼び9種類存在する。

各ミネラルの働き

ミネラル

各働き

主要ミネラル

カルシウム

骨と歯の形成、筋肉収縮、神経伝達、血液凝固、血圧降下

リン

骨と歯の形成、エネルギー代謝、DNA/RNAの構成

カリウム

酸塩基バランス調整、水分バランスの調整、心臓の健康

硫黄

アミノ酸の合成、グルタチオンの合成、補酵素

塩素

細胞内外のイオン調整、水分バランスの調整、消化液の生成

ナトリウム

細胞内外イオン調整、血圧調整、水分バランスの調整、腸管機能の調整

マグネシウム

代謝のサポート、筋肉の収縮、神経伝達、骨密度維持

微量ミネラル

ヘモグロビンの生成、免疫機能強化、脳機能サポート、疲労軽減

亜鉛

抗酸化作用、免疫機能強化、傷の治癒、認知機能、味覚維持、成長と発達

抗酸化作用、コラーゲン生成、鉄の代謝、免疫機能強化、神経系の発達

マンガン

抗酸化作用、コラーゲン生成、糖代謝

ヨウ素

甲状腺ホルモン合成、甲状腺ホルモン代謝、成長・発達

セレン

抗酸化作用、免疫機能、甲状腺ホルモン代謝

モリブテン

酸化還元反応、尿素代謝、窒素代謝

クロム

糖代謝、脂質代謝

コバルト

ビタミンB12の活性化、赤血球生成、神経系の発達

主要ミネラル

カルシウム

■カルシウムとは

 カルシウムは地球上の豊富な元素の一つであり、生物学的にも非常に重要な役割を果たしています。カルシウムは、乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ)、葉菜類(ほうれん草、ブロッコリー)、堅果(アーモンド、ブラジルナッツ)、魚介類などの食品を通じて摂取する必要があります。

 カルシウムは、健康な骨、歯、筋肉、神経系の維持に不可欠な栄養素で、カルシウム不足は、骨密度の低下や骨粗鬆症のリスクを増加させる可能性があります。

■期待される効果

1.骨と歯の形成:カルシウムは、骨と歯の主要な構成要素、骨格の強度と硬度を保つのに重要です。

2.筋肉収縮:カルシウムは、筋肉の収縮と弛緩に関与し、神経系の信号によりカルシウムが筋肉細胞に放出され、筋肉の収縮が起こります。

3.神経伝達:カルシウムは神経細胞の興奮や伝達に必要な役割を果たします。

4.血液凝固:カルシウムは、血液凝固(止血)に関与し、傷口からの出血を止めるために必要な凝固因子を活性化します。

5.血圧降下:カルシウム摂取量が増加すると、特に高血圧の人で塩分感受性が低下し、血圧が低下します。


□カルシウムとカルシウム拮抗薬

 カルシウムとカルシウム拮抗薬は、血圧の制御に関与する重要な要素です。まず、カルシウムは、心臓の収縮や血管の緊張など、血圧の調節に関与しています。一方、カルシウム拮抗薬は、カルシウムチャネルブロッカーとも呼ばれ、心臓と血管のカルシウムチャネルをブロックして、血圧を降下させる薬剤です。

講演では「カルシウム拮抗薬を飲んでいてサプリでカルシウムを摂取していいのか」という質問があります。
Ca拮抗薬は血液中のカルシウムに作用するのではなく、細胞中のカルシウムを少なくするように働くものであり、名前から想像されるようなカルシウムと競合する作用やカルシウムの吸収を阻害する作用はありません。 したがって、 Ca拮抗薬の降圧効果がカルシウム剤により薄められることはないと考えられます併用しても問題はないですが、疾患により影響も考えられますので、服用の場合は医師または薬剤師に相談し指示に従うことが重要です。

リン

■リンとは

 リンは地球上の非常に豊富な元素で、生物学的にも重要な役割を果たしています。リンは、肉類、魚介類、乳製品、卵、穀物などのを通じて摂取することが一般的です。

 リンは、健康な骨や歯の形成、エネルギー代謝、細胞の正常な機能に不可欠な栄養素です。

■期待される効果

1.骨と歯の形成:リンは、カルシウムとともに骨と歯の主要な構成要素として、骨や歯の硬度と強度を提供します。

2.エネルギー代謝:リンは、ATP(アデノシン三リン酸)やGTP(グアノシン三リン酸)といったエネルギー分子の一部として貯蔵や転送に関与します。

3.DNARNAの構成要素:リンは、DNARNAの構成要素の一部でもあります。 これらの核酸は、遺伝子情報の保持と伝達に関与します。

4.細胞内シグナル伝達:リンは細胞内のシグナル伝達にも関与します。

カリウム

■カリウムとは

 カリウムは地球上で非常に豊富な元素であり、生物学的にも非常に重要な役割を果たしています。カリウムは、特に果物(バナナ、オレンジ、キウイフルーツなど)、野菜(スイートポテト、ジャガイモ、ほうれん草など)、豆類などの食品に豊富に含まれています。

 カリウムの摂取は、神経伝達、筋肉収縮、水分バランス、心臓の健康など、体の様々な機能に影響を及ぼします。 ただし、カリウムの過剰摂取は健康上問題となる場合もあるため注意が必要です。

■期待される効果

1.細胞の電位と神経伝達:カリウムは、神経細胞の伝達や筋肉の収縮にも関与し、神経系の正常な機能をサポートします。

2.水分バランスの調整:カリウムは、細胞内外の水分の正常な水分バランスを維持します。

3.酸塩基バランスの調整:カリウムは、体内の酸塩基バランス(pH)を調整するために重要です

4.心臓の健康:カリウムは心臓の収縮を調整し、正常な心拍数とリズムを維持するのに重要な役割を果たします。

硫黄

■硫黄とは

 硫黄は地球上で広く存在し、多くの天然物や化合物に含まれています。人間の体内において、アミノ酸や酵素の一部として必要な成分となっています。 硫黄を含む食品としてはニンニク、玉ねぎ、卵黄、キャベツ類などがあげられます。

■期待される効果

1.アミノ酸の構成:硫黄は、体内のアミノ酸の中で、システインとメチオニンという2つのアミノ酸の構造を担っています。

2.グルタチオンの合成:硫黄は、細胞を酸化ストレスから守る抗酸化物質のグルタチオンの合成に必要な成分です。

3.酵素の補酵素:硫黄は、いくつかの酵素の補酵素として生化学的反応を調節し、代謝プロセスをサポートします。

4.ビタミンの構造:硫黄は、ビタミンの中でもビタミンB1やビタミンB7など、一部のビタミンの構造を担っています。

塩素

■塩素とは

 塩素は非常に反応性の高い元素であり、地球上で広く存在しています。 塩素は一般的に塩化ナトリウム(食塩)などの塩の形で見られることがよくあります。

■期待される効果

1.細胞内外のイオン調整:塩素は細胞内外のイオンバランスを維持するのに必要です。

2.水分バランスの調整:塩素は、体内の水分バランスを調整するのにも寄与します

3.消化液の生成:胃の消化液である塩酸(塩化水素)は、塩素を含む化合物で、食品を分解し消化するのに必要な役割を果たします。

4.細胞の機能:神経細胞の興奮や伝達に関与するのに重要な役割を果たします。

5.免疫応答:塩化水素(塩酸)は、胃で細菌や病原体を不活性化するのに役立ち、免疫応答の一部として働きます。

ナトリウム

■ナトリウムとは

 ナトリウムはアルカリ金属に属し、非常に反応性の高い元素であり、地球上で広く存在しています。ナトリウムは体内で重要な機能を持つが、摂取量を過剰にすると、高血圧や心臓病などの健康問題を引き起こす可能性があります。

■期待される効果

1.食塩の主成分:ナトリウムは、塩化ナトリウム(食塩)の主成分としてよく知られています

2.細胞内外のイオン調整:ナトリウムは細胞内外のイオンバランスを維持するのに必要です。 神経伝達や筋肉の収縮、細胞の輸送機構などに関与しています。

3.血圧調節:ナトリウムは、血圧の調節に重要です。 体内のナトリウム濃度が過剰になると、水分も多く取り込まれ血液量が増え、血圧が上昇する可能性があります。

4.水分バランスの調整:ナトリウムは、体内の水分バランスを調整に関与します。 ナトリウム濃度が高いと、体内から水分を引き出す傾向があります。

5.腸管機能の調整:ナトリウムは、腸管内の栄養素の吸収や水分の再吸収に重要な役割を果たしています。

マグネシウム

■マグネシウムとは

 マグネシウムはアルカリ土類金属に属し、地球上で非常に豊富に存在しています。 生体内では主に陽イオンとして存在し、さまざまな生体機能に重要な役割を果たしています。マグネシウムは、ほうれん草、アーモンド、ピーナッツ、豆類、全粒穀物、バナナなどの食品に多く含まれています。

■期待される効果

1.酵素反応の補因子:マグネシウムは多くの酵素反応において補因子として機能し、代謝や細胞機能を調節する働きをします。

2.エネルギー生産:マグネシウムは、アデノシン三リン酸(ATP)と呼ばれるエネルギー分子の生成に重要な役割を果たし、エネルギー代謝に関与しています。

3.筋肉の収縮:マグネシウムは、神経伝達におけるカルシウムの働きを調節し、筋肉の収縮を制御します。

4.神経伝達の調節:マグネシウムは、神経伝達物質の放出や神経の興奮を調節ます。

5.骨の健康:マグネシウムは骨の健康維持にも関与し、カルシウムとともに骨密度を維持します。

微量ミネラル

■鉄とは

鉄は、生物にとって非常に重要な栄養素です。鉄は赤血球の形成に不可欠であり、体内で酸素を運搬する際に重要な役割を果たすため、鉄欠乏は貧血などの健康問題を引き起こす可能性があります。 一方で、過剰な鉄摂取は、フリーラジカルの生成に関与し、酸化ストレスを引き起こす可能性があります

生体内の鉄は、主に以下の2つの形態で存在します:

ヘム鉄ヘム鉄は、ヘモグロビンとミオグロビンなどのヘムタンパク質に含まれる形態です。 ヘモグロビンは、赤血球内に存在し、酸素と結合して運搬する役割を果たします。 一方、ミオグロビンは筋肉中に存在し、酸素の貯蔵に関与します。 これにより、酸素の供給と運搬が効率的に行われます。

非ヘム鉄非ヘム鉄は、ヘムタンパク質に含まれない形態の鉄です。 細胞内の鉄輸送、鉄の貯蔵、酵素反応への関与などに重要な役割を果たします。 食品から摂取される非ヘム鉄は、腸管で吸収され、必要な組織や器官に供給されます。

鉄は赤血球の形成に不可欠であり、体内で酸素を運搬する際に重要な役割を果たすため、鉄欠乏は貧血などを起こす可能性があります。 一方で、過剰な鉄摂取は、フリーラジカルの生成に関与し、酸化ストレスを引き起こす可能性があります。

■期待される効果

1.ヘモグロビンの生成ヘモグロビンは赤血球の中に含まれる鉄を中心としたタンパク質で、酸素を肺から体の組織へ運搬する役割を担っています。

2.酸素供給の促進ヘモグロビン酸素が体内に供給することで、エネルギー産生や代謝活動が行われます。

3.免疫機能の強化鉄は免疫細胞の活性化に必要な酵素の一部を構成するため、免疫系の機能にも影響を与えます。

4.脳機能のサポート鉄は脳の集中力や認知機能に関連します、鉄の不足は脳の機能に影響を及ぼす可能性があります。

5.疲労の軽減鉄はエネルギー代謝に関与し、エネルギー利用を補助することから、鉄の摂取は疲労の軽減に関与します。

6.成長と発育のサポート鉄は子供や青少年にとって、成長と発育に重要です。

亜鉛

■亜鉛とは

 亜鉛は、金属元素の一つであり、自然界にも比較的豊富に存在しています。亜鉛は、人間にとって必要不可欠な微量元素です。 亜鉛は酵素の構成に関与し、免疫系の正常な機能やDNA合成、傷の治癒、味覚と臭覚の感知などに関与しています。食品の中で亜鉛を多く含むものは、肉類、魚介類、貝類、チーズ、ヨーグルト等があります。

■期待される効果

1.免疫機能の強化亜鉛は免疫細胞の活性化や増殖に関与し、感染症や風邪などの病気から身体を守る役割を果たします。

2.傷の治癒亜鉛は細胞の成長と再生にも関与し、傷の治癒を助ける効果があります。 特に皮膚や粘膜の再生に重要な役割を果たします。

3.成長と発達亜鉛は子供や青少年にとって、成長と発育に重要です。

4.脳機能のサポート亜鉛は脳機能( 特に学習能力や記憶力のサポート)に寄与し、認知機能を向上させる可能性があります。

5.抗酸化作用亜鉛は抗酸化作用を持ち、細胞の老化や損傷を軽減する可能性があります。

6.味覚の維持: 亜鉛は味覚受容体の機能を調節し、味覚の感知に影響を与えます。

□亜鉛の取りすぎ、またビタミンCとの併用

 亜鉛はビタミンC、クエン酸、柑橘系の果物などと一緒に摂取すると吸収効率が高まります。 クエン酸は亜鉛をコーティングする働きを持ち、ビタミンCはクエン酸の働きをサポートします。 柑橘系の果物にはビタミンCが豊富に含まれているため、亜鉛サプリメントを飲む際は意識して下さい。

 過剰に摂取した場合は有害な場合があります。 過剰摂取した場合、吐き気、嘔吐、食欲不振、胃痙攣、下痢および頭痛などの徴候がみられます。 長期にわたり亜鉛を過剰摂取すると、銅の減少、免疫の低下、およびHDLコレステロール(「善玉」コレステロール)の減少などの問題が生じる場合があります。

■銅とは

 銅は、金属元素の一つであり、人類にとって重要な金属として利用されてます。生物学的にも重要な栄養素であり、体内で酵素の一部として働き、鉄の代謝や酸化還元反応、コラーゲンの形成などに関与しています。

 食品の中で銅を多く含むものとしては、肉類、魚介類、貝類、種実類などに含まれます。

■期待される効果

1.酵素の構成と活性化銅を含む酵素は、代謝反応や酸化還元反応などに関与しています。

2.鉄の代謝銅は体内で鉄の代謝に関与し、正常な赤血球の形成や酸素供給に寄与します。

3.コラーゲンの形成銅はコラーゲンは結合組織の主成分であり、皮膚、骨、軟骨などの健康維持に関与します

4.免疫機能の強化銅は免疫機能をサポートするために必要で、免疫細胞の活性化や増殖に関与し、抵抗力の向上に関与します。

5.神経系の発達: 銅は、 脳内の酵素によって神経伝達物質の生成に関与し、神経伝達を円滑に行うために重要です。

6.抗酸化作用は抗酸化作用を持ち、細胞の老化や損傷を軽減する可能性があります。

マンガン

■マンガンとは

 マンガンは遷移金属元素の一つであり、自然界に広く存在し、酵素の補因子として働く他、コラーゲンの形成や糖代謝に関与します。

 食品の中でマンガンを多く含むものとしては、穀物、ほうれん草、レタス、ニンジン、ジャガイモ、パイナップル、バナナ、キウイなどがあります。

■期待される効果

1.酵素の補因子マンガンは多くの酵素の補因子として機能し、酸化還元反応に関与する酵素や代謝関連の酵素に関与します。

2.骨や結合組織の形成マンガンは骨や軟骨、結合組織の形成に関与しています。 特にコラーゲンの形成に重要な役割を果たしています。

3.抗酸化作用マンガンは抗酸化作用を持ち、細胞の老化や損傷を軽減する可能性があります。

4.糖代謝マンガンは糖代謝に関与しています。

ヨウ素

■ヨウ素とは

 ヨウ素はハロゲン元素に属し、紫色の固体や淡黄色の気体の形で存在します。ヨウ素は生物学的に非常に重要な栄養素で、体内で甲状腺ホルモンの一部を構成するために必要不可欠です。 甲状腺ホルモンは代謝、成長、神経系の発達など、体の様々な機能に影響を与える重要な役割を果たします。

 ヨウ素の豊富な食品としては、海藻類(昆布、ワカメなど)、魚介類、乳製品、イモ類(ジャガイモ、さつまいもなど)などが挙げられます。

■期待される効果

1.甲状腺ホルモンの合成ヨウ素は甲状腺に蓄積され、甲状腺ホルモンの主成分である「サイロキシン(T4)」と「トリヨードチロニン(T3)」を合成するために使用されます。 これらのホルモンは体内の多くの細胞に影響を与え、基礎代謝率の調整や成長・発育に関与します。

2.成長と発達胎児や乳幼児の脳の正常な発達に重要です。 甲状腺ホルモンは神経系の成長と機能に関与しており、ヨウ素の不足は知能障害や発達遅延などの問題を引き起こす可能性があります。

3.代謝の調節甲状腺ホルモンはエネルギー代謝にも重要な影響を与えます。 適切なヨウ素の摂取は基礎代謝率の調整に寄与し、エネルギーの適切な利用をサポートします。

□ヨウ素の欠乏・過剰摂取

 ヨウ素の欠乏は甲状腺機能低下症や甲状腺腫などの疾患を引き起こす可能性があります。 一方、ヨウ素の過剰摂取も問題となることがありますので、注意が必要です。

セレン

■セレンとは

 セレンは非金属元素であり、自然界に微量程度しか存在しない元素の一つです。

 セレンは、体内で酵素の一部として機能します。 特に抗酸化作用を持ち、細胞を酸化ストレスから保護する役割を果たしています。 また、免疫機能のサポートや甲状腺ホルモンの代謝にも関与しています。

 セレンは食品や土壌に存在し、サーモン、マグロ、エビ、鶏肉、牛肉、穀物、種実類などの食品に豊富に含まれています。

■期待される効果

1.抗酸化作用セレンは、細胞内での酸化ストレスを軽減するための抗酸化作用を持っています。

2.免疫機能のサポートセレンは免疫系の正常な機能にも関与します。 特にT細胞の活性化や増殖に影響を与え、免疫応答を強化する役割を果たします。

3.甲状腺ホルモンの代謝セレンは甲状腺ホルモンの代謝に関与し、エネルギー代謝に寄与します。

□セレンの欠乏・過剰摂取

 セレン過剰症として、悪心、吐き気、下痢、食欲不振、頭痛、免疫抑制、高比重リポ蛋白 (HDL) 減少などの症状がある。一方、欠乏症は貧血、高血圧、精子減少、ガン(特に前立腺ガン)、関節炎、早老、筋萎縮、多発性硬化症などが知られている。ただし、ヒトにおいて、セレン単独の欠乏では、これらの症状が認知されていない。

モリブテン

■モリブテンとは

 モリブデンは遷移金属元素の一つであり、自然界に存在する元素の中では比較的希少です。モリブデンは生物学的に重要な微量元素であり、体内で酵素の一部として酸化還元反応に関与しています。

 モリブデンの豊富な食品としては、牛、穀物、豆類、ほうれん草、レタスなどがあげられます。

■期待される効果

1.酸化還元反応の補因子モリブデンを含む酵素は、酸化還元反応における補因子として機能します。

2.尿酸代謝モリブデンは、尿酸を代謝する際に重要な役割を果たします

3.窒素代謝モリブデンを含む酵素は、アンモニアの代謝に関与する重要な役割を果たします。 アンモニアはタンパク質の代謝によって生成される有毒な物質で、適切な代謝が行われることで無毒な尿素へと変換されます。

クロム

■クロムとは

 クロムは遷移金属元素の一つであり、硬くて輝く金属として存在します。クロムは生物学的に重要な微量元素であり、体内で様々な役割を果たしています。 特に、クロムはインスリンと結びついて糖代謝に関与することで知られています。

 クロムの豊富な食品としては、牛、エビ、ブロッコリー、人参などがあげられます。

■期待される効果

1.糖代謝の調節クロムはインスリンと相互作用し、糖代謝に影響を与えます。

2.脂質代謝のサポートクロムは脂質代謝にも関与し、クロムの不足は脂肪の代謝に悪影響を及ぼすことがあると言われています。

3.グルコースの吸収クロムは腸内でのグルコースの吸収を調節する役割を果たします。 適切なクロムの存在は、グルコースの適切な吸収と利用に関与します

コバルト

■コバルトとは

 コバルトは遷移金属元素の一つであり、銀白色の金属として存在します。 コバルトは自然界では比較的希少な元素ですが、さまざまな鉱石や鉱床に存在します。

 コバルトは生物学的にも重要な元素であり、体内でいくつかの酵素やビタミンに含まれています。 また、ビタミンB12(コバラミン)は、コバルトを含む化合物です。

 コバルトは一般的に食品から微量の形で摂取されます。 ビタミンB12を含む食品としては、動物性食品(肉、魚、乳製品)が代表的です。

■期待される効果

1.ビタミンB12の構成コバルトはビタミンB12の構成要素であり、ビタミンB12は体内で重要な役割を果たしています。 ビタミンB12DNA合成に関与し、神経系の正常な機能、赤血球の生成などに関与します。

2.赤血球の形成ビタミンB12に結びつくコバルトの存在は赤血球の形成に欠かせません、 赤血球は酸素を体中に運ぶ働きをしています。

3.神経系の発達ビタミンB12とコバルトは神経系の発達と機能にも関与し、神経伝達物質の生成に必要不可欠で、神経系の正常な機能をサポートします。

4.酵素の補因子コバルトはいくつかの酵素の補因子として機能します。 例えば、コバルトを含むコバラミンは、ビタミンB12を活性化するための補因子として働きます。


ビーガンやベジタリアンは注意

ビーガンやベジタリアンの人々は動物性食品を摂らないため、ビタミンB12を補うためのサプリメントなどが推奨されることがあります。